世界中に知らせ賞賛を浴びているヤスミナ・カドラの作品は22カ国語に翻訳されている。90年代の市民戦争の間、将校であった彼は、既にブラヒム・ロブを主人公とした探偵小説を書いていたが、やがて、戦争によって引き裂かれた北アフリカや中東におけるテロリズムや忠義の問題に焦点をあてるようになった。早川書房は今年二月に『カ ブールの燕たち』(アフガニスタン)を、続いて三月(22日発売)に『テレロ』(イスラエル)-2006年フランス書店賞- を出版します。

小野 正嗣
1970年大分県生れ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学。パリ第8大学で文学博士号を取得。
2001年「水に埋もれる墓」で第12回朝日新人文学賞、
02年「にぎやかな湾に背負われた船」で第15回三島由紀夫賞を
受賞。